【北に吉方位旅行】開湯1200年の肘折温泉3泊4日~若松屋村井六助・優心の宿観月~

2月の新玉川温泉から8ヶ月、57回目の吉方位旅行は肘折温泉です。

旅館が軒をならべる肘折温泉


肘折温泉は、開湯1200年という歴史のある温泉地。

新庄駅から、大蔵村営バスで約1時間という山間の温泉郷です。

湯治場として栄えた場所であり、出羽三山への入口となっているようです。





肘折温泉とは?

肘折温泉の源泉は複数あり、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉なのですが、60度以上と高温のため、井戸水を加水して適温に調整しています。

西暦807年(大同2年)、肘を折った際に治療した温泉として開湯しています。

傷に効果のある温泉ですが、身体をあたためる効果も高いようです。

鉄分が多いのか、風呂は赤茶色に染まり、温泉は濁っています。

ただ、井戸水が加水されていて、残念ながら、温泉効果はあまり感じませんでした。

循環させずにかけ流している点が救いでしょうか。

後述しますが、日帰り温泉のカルデラ温泉館のほうが、冷温作用で温泉効果を感じました。

源泉公園という場所にある源泉


1泊目:非公開

いままで、古い湯治旅館から、温泉リゾートホテルまで泊まってきましたが、入った瞬間に失敗した!と思ったのは、初めてです。

この旅館は、肘折温泉の紹介写真にもよく写っている旅館です。

  • 部屋にトイレがない宿なので湯治旅館ですが、修繕とか整理とか、そういうことがされていない印象
  • 入館してすぐに「失敗した」と思うカビ臭さ
  • 部屋にはカメムシだらけ
  • カメムシの死骸も多かったので、掃除はろくにしていない模様
  • 畳や布団はきれいだったがとにかくカビ臭さが強くて、空気清浄機を使ってる人は具合悪くなりそうなレベル
  • 実際、鼻や喉にきました
  • 食事は量が多く食べきれないほど 
  • しかし、夕食は満足度高い
  • 朝食は好き嫌いがわかれるかも
  • 朝夕ともに部屋食ですが、運んでくるときにマスクして欲しい
  • ご主人の「おれイケてる感」が鼻につきます
  • 設備の古さを補う以上に、清潔レベルに問題あり
  •  Wi-Fiの案内はありますが、利用できません

 以上です。

楽天トラベルでは、星4つとなっていますが、はっきりいって、星一つをつけることも躊躇すると思います。



2泊目:若松屋村井六助

若松屋村井六助 は、ごくごく普通の、一般的な旅館です。

Wi-Fiは利用できますが、電波が弱く、1階では使えません。

こちらも肘折温泉の入口付近にある、老舗の旅館です。

昭和天皇の実弟である高松宮殿下が、昭和33年に来館されたという名門旅館のようです。


自家源泉の幸の湯は、温度低めで、貸切可能な風呂。

幸の湯という名前は、高松宮妃が命名したそうです。


幸の湯
温めの温泉でゆっくり入れます


チェックインが13時と早いため、2泊目に最適かもしれません。

午前中は肘折温泉の周辺をめぐり、日帰り湯に行ったりして過ごしました。

昼近くから、若松屋村井六助のほぼ隣にある「横山仁左衛門商店」の店先で昼飲みをしてから、チェックインしました。

アテは、国内初のコンビーフ製造会社・日東ベストのコンビーフ。

お店では1缶510円で購入できました。

間違いのない美味しさです。


肘折温泉郷では、店先が居酒屋になるお店があります。

ですが、朝から飲めるのは「横山仁左衛門商店」だけのようです。

チェックインすると、若松屋村井六助の女将さんの感じが良く、1泊目の悪夢が雲散霧消しました。


すっきりと整った清潔な室内


肘折温泉の女湯
やや熱め

夕食は品数が多く、写真に入り切りません

朝食

食事は、別の部屋で食べる部屋食です。

畳に座るので、高さが微妙にあわず、やや苦戦しました。

可もなく不可もなく、という印象の食事です。

若松屋村井六助 は、かつて明治大学に周辺の土地を寄付したことがあるそうです。

明治大学からの感謝状など

当時のアメフト部が使用していたそうで、今でも関係者が足を運んでくれると聞きました。



3泊目:優心の宿 観月

優心の宿 観月 は、肘折温泉のなかで板長がいる2軒のうちの1軒だそうです。

そのためか、料理に工夫がみられ、満足度が高い宿だったと思います。

カメムシ対策のため窓には目張り



5階にある露天風呂
肘折温泉では珍しい

夕飯は土地のものを使ったもの中心のようです
鯉のあらいが美味しい

ヒラメ蒸し焼き

豚シャブ
食事はテーブル
部屋食ではありません

鮎の2度揚げ
サラダ仕立て

自家製だしと味噌汁

デザートも充実

朝食も安心メニュー

肘折温泉で連泊するなら、優心の宿 観月がおすすめかな。

Wi-Fiも電波良好で使い放題でしたが、電波が弱い場所もあるようです。



黄金温泉 カルデラ温泉館

肘折温泉郷は、直径2キロのカルデラのなかにある温泉郷なのだそうです。

そのカルデラの底にあるのが、黄金温泉 カルデラ温泉館です。

火・水休館、この日は9:30開館でした。

日帰り湯だけなら500円、休憩すると700円となります。

休憩では、肘折温泉の蕎麦屋・寿屋から出前を取ることができます。


自家源泉に井戸水を加水して適温にしています

炭酸鉱泉の手湯と足湯
氷水のような冷たさですが、ここで手足を冷やして
温かい湯船にはいると冷温効果で冷え解消です



天然の炭酸水を飲む飲泉所
ほんとにクセのない冷たい炭酸水
ごくごく飲めます

ここの炭酸水は、斎藤茂吉も飲んで感動したようです。

実際、飲むと自然な炭酸で、ほんとうに美味しい。

冷泉なので、泡が細かいのでしょうか。




小松淵

肘折温泉と並行して流れる銅山川にある小松淵は、景勝地です。

秋の紅葉には早かったのですが、午前中の太陽光線が入り込んで、美しい場所でした。






新庄城址:戸沢神社、護国神社、天満神社

肘折温泉郷は、1日も巡れば十分なところなので、バスで往復できる新庄へ。

観光案内所のイチオシは、開府400年の新庄城址です。

城趾には、3つの神社があり、公園として整備されています。



戸沢神社

表門

護国神社

天満神社

天満神社の牛

心字の池

城趾らしく、広々として気持ちが良い場所です。

散歩におすすめ。




鳥越八幡宮

鳥越八幡宮は、もしかすると、かなりのパワースポットなのではないでしょうか。

初日に観光案内所でわたされた地図をみたときから、絶対に行こう!と決めていました。

最終日の午前中、雨が降りそうだったので、新庄駅からタクシーで。

鳥居前までタクシーで乗り入れて降りると、すぐに首に大きな鈴をつけた黒猫が歩み寄ってきました。

カメラを向けると顔を背ける

この黒猫が、足元にぺたんと座り込んだので、こちらもしゃがみ込んであいさつです。

おとなしく待っているようなので、体をなでてみました。

こちらとしてはあいさつ終了ということで、鳥居にむかって歩こうとすると、黒猫は、私の足元に体を擦り付けるように、何度か往復します。

もっと頭を撫でたほうがいいのかとおもって、またしゃがみ込んでナデナデ。

やけに人懐こい猫だな、と思いながらも、雨が降りそうなので、早速参拝です。

こちらが鳥居をくぐりますと、黒猫さんがついてきて、おみくじのところまで、ジャンプして上がってきました。

もう、神様のお使い猫ですよね。

おみくじを引いて帰れ、ということのようです。

黒猫さんがついてきたのはここまでで、この先には一歩もついてきません。

お参りをして、周辺を少し歩いて降りてきて、おみくじを引きました。

すると、今の一番の悩みに関して、ピンポイントでお告げをいただけたのです。

しかも、大吉。

黒猫さんが、体をスリスリして、私の困りごとを聞き届けてくれたのかもしれないと思います。

成就したら、これはもう、お礼参りしないといけません。


右手にあるのが夫婦杉

国の重要文化財の社殿


元は城趾であり、見晴らしが良い

旅の最後に、鳥越八幡宮に参拝したことで、なんとなくもやもやしていた肘折温泉が、結果良しと思える旅となったみたいです。



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