2月の新玉川温泉から8ヶ月、57回目の吉方位旅行は肘折温泉です。
旅館が軒をならべる肘折温泉 |
肘折温泉は、開湯1200年という歴史のある温泉地。
新庄駅から、大蔵村営バスで約1時間という山間の温泉郷です。
湯治場として栄えた場所であり、出羽三山への入口となっているようです。
肘折温泉とは?
肘折温泉の源泉は複数あり、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉なのですが、60度以上と高温のため、井戸水を加水して適温に調整しています。
西暦807年(大同2年)、肘を折った際に治療した温泉として開湯しています。
傷に効果のある温泉ですが、身体をあたためる効果も高いようです。
鉄分が多いのか、風呂は赤茶色に染まり、温泉は濁っています。
ただ、井戸水が加水されていて、残念ながら、温泉効果はあまり感じませんでした。
循環させずにかけ流している点が救いでしょうか。
後述しますが、日帰り温泉のカルデラ温泉館のほうが、冷温作用で温泉効果を感じました。
源泉公園という場所にある源泉 |
1泊目:非公開
いままで、古い湯治旅館から、温泉リゾートホテルまで泊まってきましたが、入った瞬間に失敗した!と思ったのは、初めてです。
この旅館は、肘折温泉の紹介写真にもよく写っている旅館です。
- 部屋にトイレがない宿なので湯治旅館ですが、修繕とか整理とか、そういうことがされていない印象
- 入館してすぐに「失敗した」と思うカビ臭さ
- 部屋にはカメムシだらけ
- カメムシの死骸も多かったので、掃除はろくにしていない模様
- 畳や布団はきれいだったがとにかくカビ臭さが強くて、空気清浄機を使ってる人は具合悪くなりそうなレベル
- 実際、鼻や喉にきました
- 食事は量が多く食べきれないほど
- しかし、夕食は満足度高い
- 朝食は好き嫌いがわかれるかも
- 朝夕ともに部屋食ですが、運んでくるときにマスクして欲しい
- ご主人の「おれイケてる感」が鼻につきます
- 設備の古さを補う以上に、清潔レベルに問題あり
- Wi-Fiの案内はありますが、利用できません
以上です。
楽天トラベルでは、星4つとなっていますが、はっきりいって、星一つをつけることも躊躇すると思います。
2泊目:若松屋村井六助
若松屋村井六助 は、ごくごく普通の、一般的な旅館です。
Wi-Fiは利用できますが、電波が弱く、1階では使えません。
こちらも肘折温泉の入口付近にある、老舗の旅館です。
昭和天皇の実弟である高松宮殿下が、昭和33年に来館されたという名門旅館のようです。
自家源泉の幸の湯は、温度低めで、貸切可能な風呂。
幸の湯という名前は、高松宮妃が命名したそうです。
幸の湯 温めの温泉でゆっくり入れます |
チェックインが13時と早いため、2泊目に最適かもしれません。
午前中は肘折温泉の周辺をめぐり、日帰り湯に行ったりして過ごしました。
昼近くから、若松屋村井六助のほぼ隣にある「横山仁左衛門商店」の店先で昼飲みをしてから、チェックインしました。
アテは、国内初のコンビーフ製造会社・日東ベストのコンビーフ。
お店では1缶510円で購入できました。
間違いのない美味しさです。
肘折温泉郷では、店先が居酒屋になるお店があります。
ですが、朝から飲めるのは「横山仁左衛門商店」だけのようです。
チェックインすると、若松屋村井六助の女将さんの感じが良く、1泊目の悪夢が雲散霧消しました。
すっきりと整った清潔な室内 |
肘折温泉の女湯 やや熱め |
朝食 |
明治大学からの感謝状など |
3泊目:優心の宿 観月
優心の宿 観月 は、肘折温泉のなかで板長がいる2軒のうちの1軒だそうです。
そのためか、料理に工夫がみられ、満足度が高い宿だったと思います。
カメムシ対策のため窓には目張り |
5階にある露天風呂 肘折温泉では珍しい |
夕飯は土地のものを使ったもの中心のようです 鯉のあらいが美味しい |
ヒラメ蒸し焼き |
豚シャブ 食事はテーブル 部屋食ではありません |
鮎の2度揚げ サラダ仕立て |
自家製だしと味噌汁 |
デザートも充実 |
朝食も安心メニュー |
黄金温泉 カルデラ温泉館
肘折温泉郷は、直径2キロのカルデラのなかにある温泉郷なのだそうです。
そのカルデラの底にあるのが、黄金温泉 カルデラ温泉館です。
火・水休館、この日は9:30開館でした。
日帰り湯だけなら500円、休憩すると700円となります。
休憩では、肘折温泉の蕎麦屋・寿屋から出前を取ることができます。
自家源泉に井戸水を加水して適温にしています |
炭酸鉱泉の手湯と足湯 氷水のような冷たさですが、ここで手足を冷やして 温かい湯船にはいると冷温効果で冷え解消です |
天然の炭酸水を飲む飲泉所 ほんとにクセのない冷たい炭酸水 ごくごく飲めます |
ここの炭酸水は、斎藤茂吉も飲んで感動したようです。
実際、飲むと自然な炭酸で、ほんとうに美味しい。
冷泉なので、泡が細かいのでしょうか。
小松淵
肘折温泉と並行して流れる銅山川にある小松淵は、景勝地です。
秋の紅葉には早かったのですが、午前中の太陽光線が入り込んで、美しい場所でした。
新庄城址:戸沢神社、護国神社、天満神社
肘折温泉郷は、1日も巡れば十分なところなので、バスで往復できる新庄へ。
観光案内所のイチオシは、開府400年の新庄城址です。
城趾には、3つの神社があり、公園として整備されています。
戸沢神社 |
表門 |
護国神社 |
天満神社 |
天満神社の牛 |
心字の池 |
城趾らしく、広々として気持ちが良い場所です。
散歩におすすめ。
鳥越八幡宮
鳥越八幡宮は、もしかすると、かなりのパワースポットなのではないでしょうか。
初日に観光案内所でわたされた地図をみたときから、絶対に行こう!と決めていました。
最終日の午前中、雨が降りそうだったので、新庄駅からタクシーで。
鳥居前までタクシーで乗り入れて降りると、すぐに首に大きな鈴をつけた黒猫が歩み寄ってきました。
カメラを向けると顔を背ける |
この黒猫が、足元にぺたんと座り込んだので、こちらもしゃがみ込んであいさつです。
おとなしく待っているようなので、体をなでてみました。
こちらとしてはあいさつ終了ということで、鳥居にむかって歩こうとすると、黒猫は、私の足元に体を擦り付けるように、何度か往復します。
もっと頭を撫でたほうがいいのかとおもって、またしゃがみ込んでナデナデ。
やけに人懐こい猫だな、と思いながらも、雨が降りそうなので、早速参拝です。
こちらが鳥居をくぐりますと、黒猫さんがついてきて、おみくじのところまで、ジャンプして上がってきました。
もう、神様のお使い猫ですよね。
おみくじを引いて帰れ、ということのようです。
黒猫さんがついてきたのはここまでで、この先には一歩もついてきません。
お参りをして、周辺を少し歩いて降りてきて、おみくじを引きました。
すると、今の一番の悩みに関して、ピンポイントでお告げをいただけたのです。
しかも、大吉。
黒猫さんが、体をスリスリして、私の困りごとを聞き届けてくれたのかもしれないと思います。
成就したら、これはもう、お礼参りしないといけません。
右手にあるのが夫婦杉 |
国の重要文化財の社殿 |
元は城趾であり、見晴らしが良い |
旅の最後に、鳥越八幡宮に参拝したことで、なんとなくもやもやしていた肘折温泉が、結果良しと思える旅となったみたいです。
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